2020年2月6日木曜日

2020.1/11 VTBD ワンデック ドンムアンエアベース2020

今年もタイのこどもの日に行われるドンムアン基地解放に行ってきました。

今年は地上展示の並べ方がいつもとは異なり、非常に撮影しやすい展示方法となりました。
柵の中の展示機はいつでも撮影できるので、柵に囲われてない展示機から。
F-86。タイ王国空軍初の後退翼ジェット機として導入された機体で、後にF-5E/Fに役目を譲り引退しました。
塗装はWings1 103sq"Lightning"となっていました。

T-28トロージャン。タイでは練習機の他、攻撃機としても使用されていたため、この塗装の他迷彩塗装の機体も存在していました。
機数も多く、手頃なサイズ感からか、多くの機体が静態保存されています。

T-33も使用されていました。
マーキングはWings4 403sq"Cobra"のものとなっています。

F8Fベアキャットは1951年に米国から中古で導入した機体。
尾翼に描かれているのはWings1 102sq"Stars"のマーキング。現在はF-16を使用している部隊です。

Wing 6,602RFS"Wihok "に所属するA340-500。去年と同様の位置に駐機していました。
王室以外のVIPで国外訪問の際は良く使用される機体だけに、動いている姿も見てみたいです。元タイ国際航空のHS-TLC。

BT-67はDC-3やC-67のエンジンをプラット・アンド・ホイットニーカナダPT6A-67Rに換装した機体で、クラシカルなフォルムが魅力的な機体。
タイでは雨が少なくなるとこのようにヘイズが溜まるだけでなく、ひどい時には深刻な水不足となるため空軍Wings46 461sq "Vampire"のこの機体を使用して人工降雨の為の薬剤を散布する任務を行なっています。

その斜め前に展示されていた手前ウドンタニ基地Wings23 231sq"Hunter"に所属するAlpha Jet A。
全機がドイツからの中古機となっています。
いい感じで展示されていますが、真横に置かれた看板が非常に邪魔でした。次回は看板の置く位置も含めて改善される事を期待したいです。

展示機を撮影している最中にタキシングしてきたのはタイ国家警察のCN235。この機種はスペインのCASAとインドネシアのIPTNが共同開発したターボプロップ機。
タイ国家警察ではドンムアン基地ベースの航空隊に配備されています。
今回は展示飛行ではなくローカルパトロールのためのフライトでした。

しばらくすると501sq"Mosquito"のAU-23Aが国旗色のスモークを引いて進入してきました。
以前はエンドから離陸しましたが今回は目の前をタキシングせずインターセクションディパーチャーでした。

綺麗に真横を見せて展示されているエプロンの上空にタイの国旗が描かれていきます。

このフライバイが終わると間髪いれずに模擬ACMがスタート。
今回はF-5の代わりにウドンタニ基地よりリモートでT-50が参加します。

対するはコラート基地のF-16
ただしいつもとは異なる部隊の機体が登場しました。

模擬AGGも行いました。

ここでF-16とT-50は一回離脱。

去年同様Wings2 203sq"Scorpion"のEC725が登場。

救難展示の内容も概ね去年と同様です。

いったん離脱し。

再び進入してきます。

今年は数回のパスは行われず救難展示を行った後はあっさり着陸してしまいました。

T-50とF-16も着陸してきました。
まずはタークリー基地Wings4 401sq "Dragon"のT-50TH
一昨年から運用開始した新しい軽戦闘機で韓国では制空迷彩が施されているのに対し、こちらはF-16同様の2色の迷彩パターンが採用されています。
この迷彩パターンを採用している国は現在のところタイのみとなっています。

つづいて降りてきたのはコラート基地Wings1 102sq "Stars"のF-16A。
この部隊はF-16のうち米軍からの中古のADF Block 15を運用する部隊。
F-16A ADFとは"Air Defences Fighter"つまり防空任務仕様の意味で、外観上のポートサイド前方に対領空侵犯対応用のライトを備えているのが特徴です。そのほか、レーダーの強化やAIM-7とAIM-120の運用能力強化などが図られています。米空軍時代に機首のIFFアンテナが追加装備され、タイ王国空軍にやってきました。

つづいてAU-23が着陸。今年の1番機にアサインされた074はシャークティースの形が特殊な機体です。

2、3番機も着陸。毎年この日は全機にスモークポッドが装備されています。

降りた機体がタキシングしてきます。
まずはEC725から。EC725は東京消防庁などが使用するEC225の軍用機版で、IRセンサーの追加などが行われています。
タイ空軍ではWings2 203sqのUH-1に代わり救難機として運用されています。


Wings2の創設100周年を迎える今年。ドアには100周年を表す記念ステッカーが貼られていました。
Wings2の徽章と100の文字を組み合わせたデザインとなっています。

EC-725のまき散らした草でエプロンが散らかってしまい掃除するまでの間、しばし待機。
いい感じで圧縮できる位置で止まっていてくれるのでゆっくり撮影できます。

滑走路は空いたので民間機の離陸がスタート。
このタイのLCCを撮影するのもこのドンムアン基地開放の醍醐味の一つです。
勢力を伸ばし続けるライオン航空一派の一員、タイライオン航空の737-900ER。
トラフィックの都合やシップアサインなどで若干毎年みられる航空機も異なります。今年はA330シリーズを見かけませんでした。

こちらは現在タイで一番勢力を拡大しているLCC。タイエアアジアのA320neo。
以前に比べneoが増えていました。

エプロンの清掃が完了し各機タキシングが再開。
F-16の胴体が短縮され、より軽戦闘機の要素が強くなったT-50
写真のおさまりもよく、意外と完成度も高いフォルムの機体、結構格好いいです。

Wings4 401sq "Dragon"はもともとL-39アルバトロスを運用していた部隊で、T-50は2017年よりこの401sqで、L-39の後継機として運用が開始されました。現在同部隊が運用していたL-39は同じL-39を使用するチェンマイ基地の411sqへ編入され、運用されています。

201sqのF-16ADFもタキシングしてきました。
マーキングは基本的に去年見たF-16A OCUと変わりませんが、コーションデータがロービジになっている他、シリアルナンバーが薄いグレーで書かれていることも特徴といえるでしょう。
機種にある後付けされたIFFアンテナがいつも見ているF-16とは異なる形状で新鮮です。

尾翼のマーキングは二種類。
黒い星が2つストライプと並行に飛んでいるパターン。

もうひとつは明るいグレーの星が斜めに飛んでいるパターンです。
この部隊は、全機F-16A ADFで固められている部隊となっており、エアショーでのドンムアン基地への飛来も珍しい部隊です。

機種のタイ領空侵犯措置用のサーチライトと特徴的なIFFアンテナ周りをアップで。
このF-16の最大の特徴です。

AU-23の3機もスポットイン。

最後にクルー全員で挨拶し、一連のフライトを終えます。

フライトが終わると早速Wing 6,602RFS"Wihok "のスホーイSSJ-100が離陸。最新のリージョナルジェット機ですが、ストライプデザインがよく似合う優秀なフォルムであることがわかります。



nok Airは毎回撮影したくなります。ピンク色ベースのHS-DBS。

前回撮影できなかったQ400 HS-DQA。HS-DQBの色違いとなっており、機首の黄色い羽根がこの機体最大の特徴となっています。

HS-DQGと同じリボンデザインの色違いのHS-DQH。
Q400では唯一の寒色系メインの機体となっており特徴的な機体です。

737-800、HS-DBW。
オレンジ色の鬣が目立つ機体です。

しばらくするとスラタニー基地Wings7 701sq"Shark"のJAS 39グリペンCによるデモフライト。
一番派手に飛ぶフライトだけに気合が入ります。
早速スモークポットからスモークを引きながら離陸。

空の色がぱっとしないのが残念ですが去年より高度が低く気合十分です。

デルタ翼とカナード翼の高い機動性能を生かして迫力のある機動が続きます。

ナイフエッジもきれいに決まりました。
機動性能を追求したデルタ翼とカナード翼が格好よすぎです。

逆側からのロール。

低速性能も披露。

ここでいったん離脱。近くの陸軍基地で小デモフライトを行います。

デモフライトから帰ってきました。
カナードはエアブレーキとしても使用します。

意外と四角いグリペンのフォルム。そして太いギア。
この特殊なフォルムがたまりません。

グリペンのデモが終わると再び民間機の撮影が始まります。休む暇がありませんね。
早速離陸してきたのは去年の開放では撮影できなかったNok AirのHS-DBP。
この機体は青ベースの塗装が特徴で去年より就航を果たした広島路線の初便にもアサインされた機体です。

以前香港で撮影したアセアンのスペマ。同じデザインの機体がマレーシアにも存在しています。また同じデザインではないアセアンのスペマがフィリピンに存在します。

不思議な模様のNok air Q400、HS-DQD。

去年何度も撮影した黄色のリボンがモチーフとなっているNok AirのQ400、HS-DQG。

初代のNok Airに近い色合いの機体であるHS-DBU。
紫ベースの濃い塗装はいかにもタイらしい塗装です。

去年はエアアジアにブロックされ、なんとか撮影できたNok Air HS-DBP。
オレンジベースの機体ということでどことなくNok Scootを連想させます。

Nok Airの中にも不思議な機体が登場。
737MAXの受領が遅れているために足りなくなった機体を補う為フランスのトランザビアフランスからやって来たリース機材。HS-DMAとHS-DMBの2機がこの塗装で運航されています。

タイエアアジアXのA330。

タイライオンエアの737-900ERも離陸していきます。

タイエアアジアのタイ観光局が推進するアメイジングタイのスペマ、HS-BBAが離陸。
色とりどりのカラフルなデザインです。

エアラインで撮影したい機体を一通り撮影した後は再び地上展示の撮影へ。
Wings6,604sq"Sunny"で運用されているT-41D。この機体もCT-4A同様にSF-260MTによる置き換え計画があるようです。
前回撮影を失念したWings6,604sq"Sunny"のCT-4ACT-4はニュージーランドのPACが製造した旧式の小型機で各国では引退が進められ、使用している国は僅かとなっています。
フライトトレーニングスクール2nd TSで活躍するCT/4Eと同系統の機体でエンジンが異なります。

ガムペーンセーン空軍基地フライトトレーニングスクール2ndTS"Mustang"に所属するPC-9M。
近くで見ると意外と大きな機種です。
T-7やT-34などと同様に前席、後席がタンデムに配置されている機体で、各国で練習機として採用が進められています。

タイ王国空軍コークグラティアム基地のWings2 201sq"Spider"のS-92。王室警護を担当する部隊でこの塗装のほかにハイビジの派手な塗装が存在します。グレーとはいってもコンバットSARに使用するわけではないので迷彩ではなくグレー一色となっています。
EC725同様100周年を迎える為記念ステッカーが貼られていました。

ドンムアン基地に所属するATR-72、首相などの国内移動用に使用される機体でまず日本には飛来しないレア機種。この機体のほか国王の移動に使用される尾翼の水色の部分がオレンジになっている機体の二種類が存在しています。
所属もほかの機体とは異なり、Wings6 603sq"Cowboy"というATR専用の部隊に所属しています。

エプロンの隅に駐機していたWing 6,602RFS"Wihok "に所属するA319もきれいに撮影することができました。
このA319は去年G20で撮影したA320の補完的な役割をしていると思われます。去年の航空祭ではエプロンのど真ん中に地上展示され、翼の下は日影が多いため休息の場所となっていました。

A319の手前にはWings6 601sq "Lucky"に所属するC-130が駐機していました。

手前に置かれていたC-130Hは去年見た-30とは異なる短胴型。自衛隊が使用している機体とほぼ同型のC-130です。
胴体が短いだけでずいぶんと締まりも良く見えます。

エプロンの逆端に展示されていた同じ部隊の同一機種ですが、こちらはドアの位置が異なるようです。

スラタニー基地Wings7 701sq"Shark"のJAS 39D良心的な地上展示方法だったため複座機も綺麗な写真が撮影出来ました。
単座機に比べ胴体長が長く、より大型のボディを持つ複座機は印象も異なります。

タイ王国空軍のスラタニー基地Wings7 702sq "Orca"のSAAB340のAEW仕様であるS-100B。
去年に引き続きの展示ですが、今年はすっきりとした写真が撮影できました。
同メーカーのJAS39グリペンとデータリンクが可能ということで合わせて導入された機体で、特徴的な外観はが魅力的な機体です。

地上展示を撮影していると
ガムペーンセーン空軍基地フライトトレーニングスクール2ndTSに所属するPC-9M。
4機中すべてが通常仕様でブルーフェニックス仕様の機体はいませんでした。
このフォーメーション、これはこれでアリです。

フライトトレーニングスクール2ndTS"Mustang"は以前はCT-4Aを使用する部隊でしたが、PC-9Mを導入、一気に高性能の機体へ格上げとなりました。
一方CT-4Aは現在の所属であるWings6,604sq"Sunny"に移籍しています。


つづいてはフライトトレーニングスクール1stTS"Chicken"に所属するCT/4Eが4基のフォーメーションでフライト。

無理やり単機で。
CT/4EはCT-4Aよりエンジンが高性能化されているタイプで、塗装も異なる仕様となっています。

腹を見せる演目が続くためなかなかきれいな写真が撮影できないのが悩ましいです。

このCT/4Eが4機で頭上をフライバイして午前の演目が終了します。

演目が終わると休む暇なく民間機離陸が再開されるので、スポッティングです。
タイエアアジアのキングパワーのスペマのうちの1機、HS-ABT。
3機あるうちの一番おとなしい塗装の機体で、去年は空港デッキから撮影している機体です。
キングパワーの塗装はどれも美しい塗装ばかりで魅力的です。

Nok AirのQ400、HS-DQBが離陸。HS-DQAの色違いで紫が多く取り入れられたタイらしいカラーリング。
朝方離陸したタイ国家警察のCN-235が戻ってきました。
タイ空軍のVIP機に採用されている塗装と同系統の塗装となっており胴体前部などのデザインがアレンジされています。
ロイヤルタイポリスの文字。ラウンデルも相まってシックでかつ格好よく、マニアックな機体になっていて好印象でした。

タイエアアジアのうちタイの観光局が進めるアメイジングタイのPR塗装の1機、HS-ABDが離陸。ゾウなどのタイを象徴する動物や風景画に描かれています。
タイの元気さを表したようなにぎやかな塗装です。

前回撮影できなかったNok AirのHS-DBZをようやく捕獲。
水色の鬣が特徴的なこの塗装。すでに光線が微妙になりつつあり、次回はもう少し条件をそろった状態で撮影したいです。

タイライオン航空の737-800も離陸していきます。

MJetsが所有するCessna C560、HS-MED
MJetsはタイでビジネスジェットをローカルに運航する航空会社です。

一方で午後のフライトに向けて準備も進められています。
Wings2 203sq"Scorpion"のEC725がエンジンを回しています。


Wings4 401sq "Dragon"のT-50THがタキシングを開始。
本当に胴体が短く写真のおさまりが良い機体です。

手を振ってファンサービス(あくまで子供に向けてです)

 コラートの201sqのF-16 ADFもT-50を追ってタキシングしていきます。
尾翼の形状などもF-16A OCUと異なっていてかなり特徴的なシリーズであることがよくわかります。

タイ王国空軍のラウンデルも小さく位置が異なっているのがわかります。

離陸前に民間側のRWYで着陸したWing 6,602RFS"Former Royal Guard "に所属するSSJ-100がタキシングしてきました。


この機体の目の前をタキシングする姿が撮影できるとは思ってもいませんでした。

RWYから離脱するときには順光に。
ノーズの黒が大きく、かなり古めかしい印象となっており非常に好印象の機体です。

この離脱を待って、各機が離陸。
T-50の離陸。かなり新鮮です。
今回初めてとなったT-50の展示。T-50もいいですが次回はまたF-5のフライトか、アルファジェットなど動いている姿を撮影できていない機種で行われることを願わずにはいられません。

F-16A ADF。

もう一機も離陸していきます。

フライトは午前中とやることは変わりません。

AGGの際ベイパーも激しく出ていました。
逆行気味ですが、ギラっと光る胴体もいい味が出ていました。

この後のグリペンの機動が終わるころには逆側が順光となるため、地上展示の午前中とは別の画角が撮影できます。

とりわけ午前中側では撮影できなかった機体や、看板が邪魔でクリアに撮影できなかった機体もきれいに撮影できるようになるため、この時間を待ってでも撮影しなければならないのです。

フライトにも参加したプラチュワップキーリーカン基地Wings5 501sq"Mosquito"のAU-23A。
地上展示には別の機体が展示されています。


コークグラティアム基地のWings2 201sq"Spider"のS-92を遠景からぶち抜き。

Wings6 603sq"Cowboy"のATR-72もスターサイドからもきれいに撮影できました。

マルケッティSF-260MTをベースにタイで自国設計を取り入れライセンス生産が行われる予定のRTAF.6の試験機が今年も展示されていました。
今後はフライトトレーニングスクールのCT/4Eやと604sqのCT-4Aを置き換える予定です。

ガムペーンセーン空軍基地フライトトレーニングスクール2ndTSのPC-9M。看板が立てられていないサイドから撮影できました。

ミッション機島も午後順光サイドから。
Wings46 461sq "Vampire"のBT-67。VIP機には見られない黄色と紺色のストライプがシックに決まった塗装で、クラシカルな印象を残す機体になっています。
ポートサイドはタイ語のタイトルとなっています。

C-130Hもポートサイドから。

ウボンラチャタニ基地のWings21 211sq"Eagle"に所属するF-5T。
去年はスペマのタキシングとフライトで話題となった機種ですが、今年は地上展示のみ。
去年あまり見ることができなかった尾翼の鷲デザインを見ることができました。
いつかこの機体の動いている姿も撮影したいです。

スラタニー基地Wings7 701sq"Shark"のJAS 39D。
カナード翼もいい感じの向きで展示され格好いいです。この複座機もいずれ動いている姿を見てみたいものです。

今回はこれにて撤収。早めの夕食へと向かいました。

市内で夕食を取った後再びドンムアン空港へ。
夜のエプロンに駐機する元バンコクエアのATR-72、HS-PGA。売却待ちの機体と思われます。
美しいバンコクエアのカラーリングか残っており、夜景も相まってとてもきれいです。

夜のドンムアン空港に並ぶLCC3社の機体。近年タイではLCCの勢力が拡大し、国内線は便利になる一方で、新たな航空会社があまりできなくなってしまいました。今後また新しい航空会社の登場を期待したいです。

このあと、エアアジアのA320に乗りさらに南を目指します。

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